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モロッコ、ベルベル人、「青い民」
・・・おそらく彼らは何ヶ月も何年もこうして歩き続けたことだろう。・・・ここにはまるで名前も言葉もないようであった。砂漠はその風のなかですべてを洗い、すべてを消していた。人間は視野に入る空間を自由に伸縮し、肌は金属みたいになっていた。・・・風は痕跡という痕跡を蔽い、骨という骨を埋める。光をおしやり、水や生命を、誰も知ることができない中心から遠くへ駆逐する。砂漠は水を欲しないことを、人間たちは良く知っていた。水は空の色を映す<水の眼>の中か、泥水の古い河の湿った川床の中にしかなかった。だがそれは歓びのための水ではなく、休息のための水でもなかった。砂漠の肌に浮かんだ汗、乾いた神のつましい賜物、生命の最後のうごめきだった。砂からかろうじて抜きとった重たげな水、地割れの中の死んだ水、飲むと腹痛が始まり、吐き気を催させるアルカリ性の水。彼らはふたたびもっと遠く、星が教えてくれる方向に、ちょっと前のめりになって進んでゆかなければならなかった。
--J.M.Gル・クレジオ『砂漠』
